厚労省、終末期の意思決定支援の推進策を検討 来年度の介護報酬改定の論点に
来年4月に控える医療、介護、障害福祉の報酬の“トリプル改定”に向けて分野横断的なテーマを話し合う国の意見交換会が18日に開かれた。
3回目となった今回のテーマは、「人生の最終段階の医療・介護」。厚労省は主な課題に、本人や家族の意思決定を下支えして希望に沿ったサービスを提供していくことをあげたうえで、「医療職・介護職による意思決定支援を更に推進する必要がある」との方針を示した。
具体策の検討の視点としては、
○ 医療機関や地域包括支援センター、ケアマネジャーなど関係者に求められる役割・機能は何か。
○ 例えば1人暮らしで認知症など、意思決定に困難を抱える高齢者がこれから一段と増えていくことを見据え、より早期から意思決定の支援を行う必要があるのではないか。その場合、ひとりひとりが尊厳ある死を迎えられるようにする観点から、どのような支援のあり方が求められるか。
○ 医療職と介護職の連携の強化、家族も含めた情報共有の円滑化を図るために何をすべきか。
などを提示した。今後、年末に向けて審議会などで議論を深めていく構えだ。
意見交換の中で全国老人福祉施設協議会の古谷忠之参与は、「介護サービスの利用開始時、例えば居宅介護支援を使い始める際などに、ACP(人生会議)の取り組みを促すなど具体的な働きかけをすることも有効ではないか」と提案。「介護報酬の加算などインセンティブを強化することの必要性も感じている」と述べた。
日本介護支援専門員協会の濱田和則副会長は、「ご利用者やご家族も含め、抵抗感なく人生の最終段階の意思を確認できる環境・風土があるとはまだ言い難い。啓発活動を更に進める必要がある」と指摘。「例えば一定の年齢に達した時など適切なタイミングで、本人が望むサービスについて確認する機会を確保する仕組みも検討していったらどうか」とも提案した。(介護ニュースより)
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