加藤厚労相、医療・介護の人材紹介会社の問題で答弁 野党からは手数料の上限設定を求める声も=衆院厚労委
加藤勝信厚生労働相は19日の衆議院・厚生労働委員会で、医療・介護分野の人材紹介会社に対する規制の強化を求める声が上がっていることについて、野党議員からの質問に答えた。
「大変高い紹介手数料を取られている、税や保険料などで賄われる財源がそうした紹介手数料に転じていることは問題ではないか、という指摘は以前から受けている」と説明。「適正な価格で人材紹介が行われていくことと、ハローワークが期待される役割を発揮できるようにすることに、更に努力していきたい」と述べた。
立憲民主党の小川淳也議員から質問を受けて答弁した。
小川議員は加藤厚労相に対し、「紹介手数料の上限規制が必要だ」と提言。「ハローワークは収入やステータスの向上につながる前向きな転職にほとんど機能していない。この問題はハローワークの機能不全と表裏一体だ」とも指摘し、状況の改善を強く要請した。
介護分野の人材紹介会社をめぐっては、政府の「規制改革推進会議」が先月に「手数料が高騰している」「介護事業者の経営を圧迫し、賃上げや生産性向上への投資を困難にしている」などと問題を提起。財務省も今月11日の審議会で、現行規制の運用の徹底や手数料水準の設定などを求めた経緯がある。
19日の衆院・厚労委では、厚労省・職業安定局の田中誠二局長もこの問題をめぐり答弁。「“自由な市場競争を確保する”という視点と“市場原理の中では上手く対応できない部分もある”という視点の双方を慎重に見極めながら、今後の対応のあり方を検討していきたい」と述べた。国民民主党の田中健議員の質問に答えた。(介護ニュース)