財政審、サ高住への過剰サービスを問題視 介護報酬の減算の強化を主張 居宅・訪問・通所など対象
財政健全化に向けて国の予算編成などを話し合う財務省の審議会は29日、政府への提言をまとめて鈴木俊一財務相へ提出した。
介護分野では、サービス付き高齢者向け住宅に入居している高齢者に対する給付の現状を問題視し、その是正を重ねて要請している。
財政審は提言で、「画一的なケアプランや過剰なサービスなどの問題事例が見つかっており、ケアプラン点検を通じた見直しも不十分」と指摘。居宅介護支援のケアマネジメントで新たに「同一建物減算(*)」を適用することに加え、訪問介護や通所介護などの既存の「同一建物減算」も更に強化すべきと主張した。
* 同一建物減算=その名の通り、介護事業所が同じ敷地内の建物(例えば併設のサ高住)で暮らす利用者にサービスを提供する場合、特定の集合住宅で暮らす利用者ばかりにサービスを提供している場合、などに報酬を安くする仕組み。既に訪問介護や通所介護などで導入されており、サービスごとに具体的な適用要件が定められている。
サ高住の高齢者に同じ会社の事業所を意図的に使わせたり、サービスを必要以上に提供したりするケースを念頭に置いた提言。こうした“囲い込み”への対策をどうするかは、来年4月に迫る次の介護報酬改定をめぐる議論でも論点の1つになりそうだ。(介護ニュース)