顔認証で保育所登園確認、精度99.8% 大阪・岸和田の実験
保育所への登園状況を顔認証技術で把握する実証実験の結果を31日、大阪府岸和田市が公表した。認証の精度は99・8%で、0~2歳児の顔も1秒以内に判別できた。同市立保育所で2022年11月、女児(当時2歳)が車内に約9時間取り残されて死亡した問題を受けた実験で、人為的ミスによる事故のリスク低下を目指す。
実験は2月13日~3月14日、市立千喜里保育所の0~5歳児クラスの園児82人を対象に実施した。事前に顔写真を登録し、登園時にタブレット端末などで顔を認証。未認証の場合、保育士が確認して保護者にメッセージが送信される仕組みだ。
同時期にスマートフォンのアプリで欠席連絡ができるようになったこともあり、保育士による出欠確認の送付数は1週目の16通が、4週目には3通と大幅に減少した。顔認証の継続利用に肯定的な意見は、保護者87%、保育士78%だった。
一方、保育士の負担が少ないウオークスルー方式の認証は身長の違いに対応しにくいことや、1年間の子どもの顔の変化への対応が検証課題として残った。永野耕平市長は「課題の解決と費用対効果を考慮し、導入を引き続き検討する」とコメントした。(毎日新聞より)