介護職員の給与、平均31.8万円 処遇改善の効果や人手不足で前年比増 基本給は24万円に

厚生労働省は16日、介護職員の給与水準を把握するための「処遇状況調査」の最新の結果を公表した

新たに創設された介護報酬の「ベースアップ等支援加算」を取っている介護施設・事業所をみると、常勤・月給で働く介護職員の昨年12月の給与額(*)は平均31万8230円。前年同月から1万7490円上がっていた。

* ここでいう給与額は、基本給、各種手当、ボーナスなどを合計したもの。税金や保険料が引かれる前の金額で、いわゆる“手取り”ではない。ボーナスや一時金が出ている介護施設・事業所では、昨年1月から12月までに支給された総額の12分の1が足されている。各種手当は夜勤手当、時間外手当、研修手当、交通費なども全て含む。“額面年収トータル額”の12分の1、に近い算出方法となっている。

昨年12月の基本給は24万790円。前年同月比で1万60円のアップとなっている。


この調査は、全国1万2263の介護施設・事業所を対象に行われたもの。有効回答数は59.4%の7284。


厚労省の担当者は結果について、「介護職員の処遇改善に向けた各種施策の影響があった」と説明。「ベースアップ等支援加算」が想定していた3%の賃上げ(月9000円ほど)を上回る効果が出ているが、その要因の精緻な分析・評価はまだ明らかにしていない。深刻な人手不足、それに伴う人材確保の競争激化など、介護サービス事業の経営環境が背景にあるとみられる。

もっとも、昨年度の統計によると全産業の平均給与額はおよそ36万1000円。介護職員との格差は依然として大きい。他産業では今年に入って賃上げが更に進んでおり、この格差がこれから一段と広がっていく懸念もある。


介護事業者は光熱費など物価の高騰に苦しんでおり、沸き立つ賃上げムードについていく余裕がない。現場の関係者からは、介護報酬の引き上げや追加の処遇改善など新たな延命策がなければ立ち行かなくなる、との悲鳴が多くあがっている。(介護ニュース)

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