障害福祉の処遇改善加算も一本化を 事業者団体が要請 報酬増を求める声も相次ぐ=来年度改定ヒアリング

来年4月の障害福祉サービス報酬の改定に向けた協議を進めている厚生労働省の有識者会議は先月からこれまでに、およそ50の関係団体を招いてヒアリングを実施した。現場の声をできるだけ施策に反映させる狙いがある。

このうち全国介護事業者連盟は、「障害福祉にも介護と同様の課題がある。対策の検討をお願いしたい」と要請。現場の負担軽減などにつなげるため、職員の処遇改善を図る3加算(*)の一本化と関連書類の簡素化を求めた。

* 処遇改善加算、特定処遇改善加算、ベースアップ加算を指す

あわせて、他の様々な書類の作成・提出の負担軽減、過度なローカルルールの是正を注文。事業所の管理者が兼務できる範囲を拡大するなど、人員配置基準の弾力化、人材の有効活用も必要と提言した。


介事連・障害福祉事業部会の中川亮会長は取材に応じ、「障害福祉サービスの運営を持続可能なものとしていくため、将来を見据えた制度設計をしていく必要がある」との認識を示した。


また日本看護協会は、「物価高騰で障害福祉サービスでも様々な必要品の購入、食事提供、入浴、送迎などにかかるコストが増大し、事業所の負担が大きくなっている」と問題を提起。人材の確保・定着にもマイナスの影響が及ぶとして、「各サービスの基本報酬や加算の見直し、必要な財政措置を」と訴えた。

このほか日本ALS協会は、「重度訪問介護を含む福祉・介護職員の処遇改善を求める」と主張した。あわせて、介護支援専門員が相談支援専門員に代わって利用者の支援に入っているケースも多いと指摘。「労働の対価として、制度を横断してケアマネジャーへ(報酬を)支払うべきではないか」と意見した。


厚労省は今秋から次期改定の具体策の議論に入る予定。大枠の方向性は年内に固める考えだ。(介護ニュースより)

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