【介護報酬改定】小多機、認知症対応の加算を拡充 厚労省提案 現行区分の適正化も検討
厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、各サービスの認知症の高齢者を支える機能を強化したい考えだ。23日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)では、小規模多機能型居宅介護の具体策を提案した。
既存の「認知症加算」に加えて、更なるインセンティブを新設することを提案。認知症ケアに関する専門的研修の修了者を配置していること、認知症ケアの指導・研修を実施していることなどを新たに評価してはどうかとした。
こうした更なる取り組みを現場に促す観点から、現行区分の単位数を適正化する案も提示。今後、より詳しい検討を進めていく構えをみせた。
小多機の既存の「認知症加算」は、日常生活自立度II以上の利用者に適切に対応することなどが要件。より重度の利用者を想定した加算(I)が800単位/月、加算(II)が500単位/月となっている。事業所ベースの算定率は、昨年4月審査分で加算(I)が92.3%、加算(II)が70.5%と高い。
厚労省は会合で、「認知症の重度化を理由に小多機の利用を終える利用者も一定数いる。対応力を更に強化していく必要がある」と説明。加算の新区分の創設などを提案した。(介護ニュースより)
会合で全国老人福祉施設協議会の古谷忠之参与は、「まず専門的研修などを受講しやすい環境を整備することが重要」と指摘。健康保険組合連合会の伊藤悦郎常務理事は、「認知症対応力の強化は重要。加算の実効性を高めるため、新たな区分を重点的に評価する一方で現行区分をしっかり適正化するなど、よりメリハリの利いた仕組みにすべき」と主張した。
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