【介護報酬改定】通所介護の認知症加算、要件を緩和 厚労省
厚生労働省は来年度の介護報酬改定で、通所介護と地域密着型通所介護の「認知症加算」の要件を緩和する。
認知症の日常生活自立度III以上の利用者が全体の20%以上、という要件を見直す。算定のハードルを下げ、事業所の対応力強化につなげる狙いがある。
11日に開催した審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)で、これまでの議論を整理した「審議報告」の案を提示。その中に「要件を緩和する」と明記した。
デイサービスの「認知症加算」は60単位/日。認知症の高齢者を受け入れる体制の整備などを促すインセンティブだが、その算定率は日数ベースで3%に満たない(*)など低調だ。要件には、
◯ 看護職員、介護職員を人員配置基準の人数に加えて2人以上確保していること
◯ 認知症介護の指導者養成研修、実践リーダー研修、実践者研修の修了者を配置していること
なども含まれる。このうち、自立度III以上の利用者の割合がネックの1つになっていた。
*「認知症加算」の日数ベースの算定率=昨年4月で通所介護が2.6%、地域密着型通所介護が1.1%
このほか、厚労省は要件として、認知症ケアに関する個別事例の検討会や技術指導の会議などを定期的に開くことを、事業所に新たに求めていく考えも示している。こうした方針を近く正式に決める。要件などの詳細は、介護報酬改定の前に通知などで示す。(介護ニュースより)