病児保育も「異常事態」 プール熱と溶連菌感染症、過去10年で最多
子どもがかかりやすい感染症の流行が続いている。季節性インフルエンザによる休校や学級閉鎖が多くなっているほか、プール熱と溶連菌感染症の一種が過去10年で最多の水準。子どもが体調不良で登園・登校ができない場合に、就労中の親に代わって子どもをみる「病児保育」も需要が急増している。 【グラフ】インフルエンザやプール熱の流行状況。報告が増え続けていることがわかる 厚生労働省が発表した11月27~12月3日の季節性インフルの報告数は、1医療機関あたり26・72人。全国で4690施設が休校や学級閉鎖になっている。 国立感染症研究所の集計によると、11月20~26日に定点医療機関を受診した患者数は、プール熱(咽頭(いんとう)結膜熱)が1医療機関あたり3・54人、溶連菌感染症(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)が同3・86人で、いずれもこの10年で最多の水準となった。 首都圏で訪問型病児保育のサービスを行う認定NPO法人「フローレンス」は、予約の殺到により、月額制の新規会員の受け入れを制限している。保育スタッフの派遣は「当日朝8時までの依頼で100%対応可能」としていたが、現在は全ての予約数に対して7~9割の対応となっている。 例年、東京都内の過去の感染症の流行状況などをもとに需要を予測している。だが、「同時に複数の感染症が流行しており、過去のデータが役に立たない。事業を立ち上げて20年近くになるが、異常事態だ」と三枝美穂・病児保育事業マネージャーは話す。
朝日新聞社