訪問介護のヘルパー不足は「喫緊の課題」 厚労省 審議報告に明記 人材確保の対策を「総合的に検討」
来年度の介護報酬改定を議論してきた国の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)が18日にまとめた「審議報告」− 。厚生労働省はこの中に、今後更に取り組むべき課題の1つに訪問介護の担い手の確保を位置付けた。
来年度の改定で処遇改善などを進めつつ、その後の改定に向けても講じるべき施策を検討していく姿勢を明確にした。
審議報告の終章の「今後の課題」に、ホームヘルパーの不足は「喫緊の課題」と明記。「必要なサービスを安定的に提供できるよう、訪問介護人材の確保に資する対応を総合的に検討していく」との考えを示した。
厳しい介護業界の人手不足の中でもヘルパーは深刻。昨年度の有効求人倍率は実に15.53倍にのぼっており、現職の4人に1人は既に65歳を超えている。何か思い切った手を打たないと状況は好転しない、と指摘する現場の関係者も少なくない。
厚労省は審議報告で、「就労希望者が少ない要因として、1人で利用者宅へ訪問してケアを提供することへの不安があげられている」とも説明。「ハラスメント対策やICTの活用など、働きやすい職場を作る取り組みを推進する」と記した。
このほか、今回の改定で導入を見送った訪問介護と通所介護の新サービスにも言及。既存の事業所の規制を緩和することも含め、より良い仕組みを「総合的に検討していく」との意向を示した。(介護ニュースより)