テクノロジー活用で介護職員の配置を緩和、特養でも検討 政府方針 「期中でも見直し」

武見敬三厚生労働相と鈴木俊一財務相による20日の閣僚折衝では、介護施設の生産性向上とあわせた人員配置基準の緩和も取り上げられた。政府はここで、特別養護老人ホームなどにも対象を広げていく方針を改めて明確に打ち出した。

折衝の合意文書に、テクノロジーのフル活用などで現行の「3対1」の基準を緩和できるというエビデンスが得られることを前提として、「期中でも見直しの検討を行う」と明記。特養などの介護施設も対象に含めるとした。


厚労省は来年度の介護報酬改定で、生産性向上の先進的な取り組みを進めている介護付きホーム(特定施設)に限り、一定の基準の緩和を認める。サービスの質や利用者の安心・安全を守るため、緩和にあたっては多くの要件を設定する。


より効率的な体制への転換を図り、限られた貴重な人材を有効に活用することが狙い。改定を議論する審議会では、厚労省の担当者が次のように説明していた


「一部の企業、一部の施設であっても、サービスの質を落とさずに効率化を図り、多くの介護需要に対応しようとする取り組みを評価することは、将来の介護サービスの安定的な確保に責任を負う立場から、必要な取り組みだと考えている」

武見厚労相らは20日の閣僚折衝で、介護付きホームと同様の施策を先進的な特養などでも進めていくことを確認。現場の関係者の間では慎重論も少なくないが、実証事業などで得られるエビデンスを慎重に検証しながら緩和に向けた検討を進める、という政府としての姿勢を改めて明示した。(介護ニュースより)

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