特養、人材難が更に悪化 福祉医療機構「不足が一段と加速している」
福祉医療機構(WAM)は21日、特別養護老人ホームの人材難の動向をまとめた最新の調査レポートを公表した。
それによると、昨年10月の状況で介護職員が「不足している」と答えた施設は70.3%。前年度の調査から1.7ポイント悪化して7割を超えた。
WAMはレポートの中で、「人材不足が一段と加速していることが明らかになった」と警鐘を鳴らしている。
この調査は、WAMの貸付先の特養を対象として昨秋に行われたもの。769法人、863施設から回答を得ている。
介護職員の充足状況は以下の通りだ。業界を超えた人材獲得競争の激化などを背景に悪化傾向が続いている。
人材不足の要因(複数回答)については、「他産業より低い賃金水準」が6割超で最多。「近隣施設との競合」や「不規則な勤務形態」も多かった。地方では「地域の労働人口の減少」が目立つ。
政府は来年度の介護報酬改定で、特養の基本報酬を引き上げる方針。介護職員の処遇改善に関する加算も一本化・拡充する。
WAMはレポートの中で、「こうした国の対応が各施設の事業運営、人材確保にどのような影響を及ぼすのか、特に注視していく必要がある」としている。(介護ニュース)