目の前の園児を「いないもの」扱い 心理的虐待・育児放棄の保育士2人処分 熊谷、保護者面談で発覚
埼玉県熊谷市は23日、市立玉井保育所の園児2人に不適切な保育をしたとして、主任保育士の女性(30)と保育士技術嘱託の女性(40)をともに22日付で戒告の懲戒処分にしたと発表した。
市によると、2月14日午前、当時4歳児クラスだった男女の園児が年長児の歌を聞く際に耳を手でふさいだため保育士が注意したところ、泣き出した。続く点呼の際には技術嘱託の女性はこの園児2人がいるのを知りながら「いません」と発言した。市は心理的な虐待に当たるとみている。
その後の朝の会では、主任保育士が同じ園児2人に声をかけたが返事をしなかった。このため、2人に「先生が見える位置にいて」と指示して立たせたまま教室に約5分間残し、他の園児と園庭に出た。市はネグレクト(育児放棄)とみている。保育士2人は「行事に追われて保育に余裕がなかった」と釈明したという。2月16日に園児の保護者が保育所長らと面談して発覚した。
同市では昨年11月にも、市立吉見保育所で2022年度から当時の所長らが園児に暴言を吐くなど不適切保育をしていた問題が発覚し、今年1月に当時の所長と主幹が停職の懲戒処分を受けた。小林哲也市長は23日に臨時記者会見し、「複数の保育所で不適切な保育があった重大性を重く受け止める」と謝罪した。(東京新聞より)