訪問介護の生活援助を給付から除外 政府検討 次期改正までに結論 骨太原案
政府は11日の経済財政諮問会議で、今年の「骨太の方針(経済財政運営と改革の基本方針)」の原案を提示した。
焦点の社会保障改革をめぐっては、高齢化や人口減など中長期的な構造変化に耐えうる持続可能なシステムを作る必要があると説明。「現役世代の消費活性化による成長と分配の好循環を実現していく」とも記し、医療・介護などの保険料負担の上昇を抑制することが「極めて重要」と指摘した。
介護分野の具体策としては、2割の利用者負担を求める対象者の拡大、居宅介護支援の利用者負担の導入に言及。要介護2以下の訪問介護と通所介護、とりわけ生活援助の総合事業への移管も盛り込んだ。これらの検討を進め、2027年度に控える次の制度改正の前までに結論を得るとした。
いずれも介護現場の関係者の抵抗が予想される施策だが、早期の具体化を図る姿勢を改めて明確に示した形。今後、厚生労働省の審議会などで実施の是非が議論されていくことになる。
政府はこのほか原案に、一部の不適切な人材紹介会社の手数料が事業所・施設の負担になっていること、高齢者向け住宅の入居者へ過剰にサービスを提供する事業者がいることなどを問題として提起。「報酬体系の見直しや規制強化の更なる検討を含め、実効性ある対策を講じる」と明記した。(介護ニュースより)