新たな「介護情報基盤」、2026年4月開始目指す 厚労省方針 負担減へ情報連携を効率化

厚生労働省は「介護情報基盤」の整備を本格化させる。事業所・施設、利用者、自治体などがそれぞれ必要な情報を、いつでも速やかに閲覧・確認できる新たなインフラを作る構想だ。

8日に開催した審議会(社会保障審議会・介護保険部会)で、今後の取り組みの進め方などを説明した。昨年の法改正で制度的な位置付けを定め、これまで専門家会議などで議論を重ねてきた経緯がある。


利用者の利便性を高めるとともに、より効率的なサービス提供体制を構築することが目的。紙ベースのアナログなやり取りをデジタル化し、情報共有のスピードアップや職員の負担軽減などにつなげる計画だ。


その一環として、介護保険被保険者証のペーパーレス化、マイナンバーカードとの一本化も具体化する。2026年4月からの施行を目指す。

事業所・施設にとっては、利用者の被保険者証や負担割合証に書かれている情報、要介護認定の情報などを、いつでもクラウドから引き出せるメリットがある。マイナンバーカードを読み込むカードリーダーの導入など、相応の準備も求められそうだ。


厚労省はケアプランの情報、LIFE(科学的介護情報システム)の情報などを事業所・施設に提出してもらい、利用者や自治体が有効に活用できるようにしたい考え。カードリーダー導入の支援策なども含め、事業所・施設の負担を極力軽くする措置を並行して検討していく構えをみせている。


◆ 本人同意のあり方など課題


「介護情報基盤」の整備には相応の課題もある。1つはセキュリティ対策だ。


厚労省は審議会で、使用端末や職員のアクセス権限の管理など一定の対策が必要になると説明。事業所・施設向けの分かりやすい手引きを、施行までに作成・公表する意向も示した。

また、利用者の同意をどう得るかも積み残されている。利用者情報の閲覧・共有には本人同意が不可欠。事業所・施設が契約時に得ることも想定されているが、その際の負担や認知症の高齢者への対応などが課題として提起されている。


厚労省は今後、「介護情報基盤」の円滑な運用開始に向けてこうした課題をめぐる議論を深めていく方針。(介護ニュースより)

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