医療情報取得加算見直しの検討が論点に(中医協)

中央社会保険医療協議会の総会が 3 日開かれ、厚生労働省は、現行の健康保険証の発行が 12
月 2 日に終了し、原則廃止されることを踏まえて「医療情報取得加算」の見直しの検討を論点
に挙げた。
中医協が 2 月に取りまとめた 2024 年度改定の答申書の附帯意見で、マイナ保険証への一本化
に合わせて医療情報取得加算の見直しを年度の早期に検討するとされたのを受けた対応で、鳥
潟美夏子委員(協会けんぽ理事)が「12 月に健康保険証の発行が終了したら(この加算は)一
定の役割を終える」と述べるなど、支払側はそろって廃止の検討を求めた。一方、診療側の長
島公之委員(日本医師会常任理事)は「この加算の趣旨は標準的な問診表を使用することなど
を通じて質の高い医療を提供する点にある」として、加算を単純に廃止することは「到底受け
入れられない」と強く反発した。
医療情報取得加算は、診療情報や薬剤情報を患者のマイナ保険証から取得し、活用する医療
機関や薬局への評価。
マイナ保険証を活用できる体制整備への評価だった「医療情報・システム基盤整備体制充実
加算」を 24 年度の診療報酬改定で組み替えて継続させた。従来の医療情報・システム基盤整備
体制充実加算と異なり、初診だけでなく再診の患者にも算定できる。
中医協は 3 日の総会で、医療機関や薬局による医療 DX の取り組みを促すための診療報酬の評
価を議論し、厚労省は医療情報取得加算の見直しの検討を論点の 1 つに挙げた。
現行の保険証の新規発行が 12 月 2 日に終了し、原則廃止されることを踏まえ、「診療報酬の
評価の在り方を改めて検討する必要がある」としている。
意見交換では、支払側が廃止の検討をそろって求めた。松本真人委員(健康保険組合連合会
理事)は「12 月 2 日に健康保険証の新規発行が終了したら、マイナ保険証の利用がある意味当たり前になる。その場合、医療情報取得加算を継続する必要性は乏しい」と述べ、次の診療報
酬改定を待たず期中の見直しを主張した。
高町晃司委員(連合「患者本位の医療を確立する連絡会」委員)は「(加算の見直しを)検討
し、廃止する方向に進んでいくものではないか」と述べた。一方、診療側の長島委員は「この
加算を廃止することはあり得ない」と存続を繰り返し主張した。(メディカルウェーブ)

 

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