介護事業者の経営情報報告の義務化でQ&A 厚労省 サービス単位の報告も可
自らの経営情報を都道府県へ毎年報告することを全ての介護事業者に義務付ける新たな制度をめぐり、厚生労働省は20日、具体的なルールなどを明らかにするQ&Aを公表した。
トータルで20の問答を掲載。経営情報の報告の対象、方法、内容などを取り上げたほか、新たに整備する「介護事業財務情報データベースシステム(仮称)」に関する疑問にも答えている。
介護保険最新情報のVol.1305で現場の関係者に広く周知した。
例えば経営情報を報告する単位。事業所・施設単位が原則だが、厚労省はこうした会計区分を行っていないなど対応が難しく法人単位とする場合について、「都道府県ごとではなく、法人の全国のデータを1つの報告にまとめて差し支えない」との認識を示した。
また、やむを得ない理由があればサービス単位の報告も可能と説明。「事業所・施設単位の報告が難しいものの、法人内のサービス種別単位の報告は可能な場合、サービス種別単位の報告も差し支えない」と明記した。
この新たな制度は、介護事業者の経営実態をより正確に把握・分析できるようにすることが目的。既存の調査を補完し、例えば3年に1度の介護報酬改定などの精度を高める狙いがある。
導入は今年度から。厚労省は今月2日、制度のポイントや留意点などを整理した通知を発出していた。
今回のQ&Aでは、報告の対象となるサービス(*)とそうでないサービスの両方を提供している場合について、「対象となるサービスのみの報告で差し支えない」と解説。「介護予防支援は対象となるサービスではない」とも明示した。
* 報告の対象となるサービスは、8月2日付け通知の第2(3)を参照。
また、会計監査に時間を要することで報告が期限(毎会計年度終了後3ヵ月以内)に間に合わない場合にも言及。「監査終了後、早急に報告することで差し支えない。こうした事情がある場合は、管轄の都道府県担当部局と事前に相談を」と呼びかけた。(介護ニュースより)