訪問介護のヘルパーの有効求人倍率、昨年度は14.14倍 厚労省「非常に厳しい状況」
厚生労働省は12日、介護保険の訪問介護を担うホームヘルパーの有効求人倍率を新たに公表した.
直近の昨年度は14.14倍。前年度比では低下した。引き続き極めて高い水準にあり、施設の介護職員との格差も依然として大きい。
厚労省はこうしたデータを、この日の審議会(社会保障審議会・介護給付費分科会)に報告。「有効求人倍率は高止まり。非常に厳しい状況が続いている」との認識を示
した。
人手不足が大きな課題となっている介護職の中でも、ヘルパーは最も深刻な職種。人材を十分に確保できないため、事業者が訪問介護の運営を続けられなくなったり、必要なサービスの提供が滞ったりするケースが増えている。地域によって違いはあるものの、ヘルパーの高齢化なども念頭に危機的な状況だと警鐘を鳴らす関係者が多い。
国の調査によると、ヘルパーとして現場で働くことを希望する人が少ない要因では、
◯ 1人で利用者宅へ訪問してケアを提供することへの不安が大きい(85.3%)
◯ 他のサービスと比べ、実質的な拘束時間が長い割に効率的に収入が得られない(66.7%)
◯ 実際に仕事をしてみないとやりがいが理解しづらく、事業所によるアピールが難しい(65.3%)
※ 出典|令和3年度老人保健健康増進等事業「訪問介護事業のサービス提供体制の見直しに関する調査研究事業」
などが多い。
この日の審議会では委員から、目下の深刻な状況を踏まえて対策を強化するよう求める声が相次いだ。これを受けた厚労省は、介護報酬の処遇改善加算の取得促進、小規模な事業所への支援、魅力発信の広報などにより一層注力すると説明した。(介護ニュースより)