軽度者の訪問・通所を介護給付の対象外に 財務省が具体化要請 「人材・財源に限りがある」

財務省は13日、今後の予算編成を念頭に国の財政を議論する審議会(財政制度等審議会財政制度分科会)を開き、社会保障制度の見直しを俎上に載せた

介護分野では、急速な高齢化に伴い給付費や保険料負担が増大していく今後を見据え、介護報酬の合理化・適正化が必要と改めて指摘。現役世代の減少が避けられないことも考慮し、制度の持続性を確保するために「更なる改革が不可避」と強調した。


具体策としては、介護給付の範囲の縮小をあげた。


要介護1、2の高齢者への訪問介護と通所介護について、市町村がそれぞれ運営する事業(地域支援事業)に移すべきと提言。「介護の人材や財源には限りがある」とし、より専門的なサービスが必要な重度の高齢者へ介護給付を重点化すべきと踏み込んだ。


まずは訪問介護の掃除、洗濯、調理といった生活援助から、段階的に改革を進めていく案も提示。地域の実情に応じた市町村ごとの弾力的なルールのもと、住民など多様な主体の参画を得てサービスを維持する仕組みに変えるべきと主張した。


あわせて、「介護事業者にとっても、保険外を含む多様なサービスを軽度者へ提供することで、ビジネス機会の拡大につながる」と説明。保険外サービスのより柔軟な提供を認めるべき、との考えも示した。

財務省は以前からこうした注文を繰り返しており、今回はその必要性を重ねて訴えた形。ポスト2025年の制度改正をめぐる論点の1つだ。必要なサービスを受けられない介護難民の問題が深刻化したり、会社員らの介護離職が増えたりする懸念がある。介護業界の関係者らは強く抵抗するとみられ、この改革が具体化の道を歩むかどうかが大きな焦点となる。


財務省はこのほか、2割の自己負担を求める高齢者の対象範囲を広げること、居宅介護支援のケアマネジメントでも自己負担を徴収することなども提言した。(介護ニュースより)

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