医労連が統一スト決行「他産業並みの賃上げを」 医労連
医療従事者など約17 万人が加入する日本医療労働組合連合会(医労連)は13日、他産業並
みの大幅な賃上げや労働条件の改善を求めて全国統一ストライキを決行した。この統一ストへ
の決起を表明した事業所は同日午後5時時点で1,051カ所。2025年春闘の回答指定日だった12
日の結果を踏まえ、1,051事業所のほとんどで数人から数十人規模の指名ストを行った。
全日本赤十字労働組合連合会や全国労災病院労働組合などでは、始業から 1 時間の全面スト
を実施した事業所もあった。
医労連は今回の春闘で、定期昇給とベースアップで他産業並みとなる月額 5 万円以上の賃上
げを統一要求に掲げた。24 年の医療・福祉分野での賃上げは平均で6,876 円にとどまり、一時
金の引き下げ分を加味すれば、賃下げが起きている状況だと訴えている。
渡辺勇仁中央副執行委員長は、「昨日の労使交渉の回答では、大半が定期昇給のみにとどまっ
ており、われわれの要求には到底及ばない」と述べ、全国統一ストの意義を強調した。
医労連によると、医療・介護分野の定期昇給とベアを含めた賃上げの回答は、13日午後0時
半時点で平均4,968円と、5,000円にも届かない状況だという。
医労連では、4月9日を第2次統一行動日に設定しており、今後の労使交渉の回答状況を見な
がら、行動内容を検討するとしている。
東京医労連ではこの日、医療・介護従事者の配置基準を見直した上での大幅な増員や、「ケア
労働者」の賃上げなどを実現するため、国に意見書を提出するよう求める請願書を東京都議会
に提出した。医療や介護現場での労働時間の上限規制や勤務間インターバルの確保、夜勤回数
の制限など、労働環境の抜本的な改善に向けた規制を設け、そのための財政支援なども要望し
た。東京医労連書記長の青山光書記長は、医療・介護従事者の処遇改善に向けて行政を動かす
必要があるとし、「全国統一ストを決行するタイミングで請願書を提出することで、社会への訴
えかけを強めたい」と、請願活動の意義を語った。
東京医労連がその後に開いた都内での集会には、医労連の佐々⽊悦⼦中央執⾏委員⻑も参加。
他産業との賃金格差が拡大する中、「医療・介護分野からの人材流出が止まらず、人材不足に拍
車がかかっている」と指摘した。地域の医療や介護を守るため、佐々木委員長は「この春闘を
最後まで粘り強く戦っていく」と、決意を表明。医療・介護分野の賃上げは必要だという世論
を広げるために、組合員の結束を呼び掛けた。(メディカルウェーブ記事より