百日咳の耐性菌、都内ですでに拡散か

都内ではすでにMRBPが拡散していることが推察されると発表
した。

国立健康危機管理研究機構(JIHS)は18日、東京都立小児総合医療センターでマクロライド
耐性百日咳菌(MRBP)への感染が 5 例報告されたとし、患者らは互いに疫学的な関連がなく、
海外渡航歴もなかったことから、都内ではすでにMRBPが拡散していることが推察されると発表
した。百日咳はけいれん性の咳発作が見られる感染症で、新生児や乳児期早期では特に重症化
しやすく、死に至るケースもある。今年に入り、全国で患者数が増加している。

百日咳の治療では、マクロライド系抗菌薬が第一選択薬として使用されるが、近年、中国を含む諸外国でマ
クロライド系抗菌薬に耐性を持つMRBPの出現と拡大が問題となっている。
都立小児総合医療センターでは、2024年11月1日-25年3月31日に複数のターゲット遺伝
子を検出できるマルチプレックスPCRで百日咳菌が陽性となった9例のうち、5例でMRBPが培
養で分離された。


MRBP 感染症の患者を年齢別に見ると

1歳未満が2例、6-7歳が2例、17歳が1例。このう
ち、基礎疾患がない生後1カ月の女児は死亡した。この 5例は互いに感染が成立するような関
わりや海外渡航歴もなかったため、JIHSではすでに都内でMRBPが拡散していると推測。この5
例については家族内感染が疑われるとした。
MRBP への治療には、2種類の抗生物質を組み合わせたST合剤が用いられるが、新生児には禁
忌とされる。ただ、ビリルビン値が低い症例については高ビリルビン血症のリスクが比較的低
く、救命のための使用が許容できるとされている。

百日咳の対策としてワクチン接種が有効


百日咳の対策としてJIHSは、マクロライド耐性にかかわらずワクチン接種が有効だとした。
日本小児科学会では定期接種に加えて、就学前の幼児と11-12歳の児童を対象に3種混合ワク
チンを接種し、家族内感染を抑制することを推奨している。

(出典:メディカルウェーブ記事抜粋)

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