保育事業所様向け情報(労務)4月号②
男性はいつから育児休業を取得できますか
このコーナーでは、人事労務管理で頻繁に問題になるポイントを、社労士とその顧問先の
総務部長との会話形式で、分かりやすくお伝えします。
総務部長:今度子どもが生まれる男性従業員から、育児休業の取得を考えているという相
談がありました。まだ、取得時期について具体的な話はありませんが、男性の
場合、いつから育児休業を取得できるのでしょうか?
社労士 :女性が出産をし、引き続き育児休業を取得するケースでは、産後休業の後に育児
休業が開始となります。これに対し、男性の場合は、産前産後休業はありません
ので、出産予定日から育児休業を取得することができます。
総務部長:出産日からではなく、出産予定日から取得することができるのですか。子ども
が出産予定日より早く生まれたり、遅く生まれたりしたときはどのような取扱
いになるのですか。
社労士 :はい。出産予定日より早く生まれたときは、育児休業開始日を繰り上げることが
できます。これに対し、出産予定日に生まれていないときは、出産予定日から取
得することになります。
総務部長:え! 生まれていないのに育児休業を取得できるのですか!?
社労士 :そうです。育児休業の取得のために、会社としてはすでに育児休業期間中の人員
手配や業務分担等を進めていますので、たとえ子どもが生まれていなくても予定
通り取得することになります。もちろん、出産予定日より遅く生まれたときは、
従業員からの申出により育児休業開始日を繰下げることができるという規定も考
えられます。
総務部長:なるほど。育児休業は、原則子どもが1歳に達するまでとなっていますが、出産
日が出産予定日より遅くなった場合、この終了日はどのように考えるのでしょうか。
社労士 :この場合、出産予定日から子どもが1歳まで育児休業を取得することができます
ので、1年よりも長い期間となります。育児休業の期間はこのようになりますが、
雇用保険から支給される育児休業給付金は取扱いが異なり、出産日(出生日)か
らが対象となります。
総務部長:そうか、男性も要件を満たせば、育児休業給付金を受給することができるのですね。
社労士 :これまでは育児休業の取得の申出は女性からが多く、会社ではその対応をスムー
ズに行ってきましたが、今後は、男性からの申出が増加すると予想されますので、
その対応も重要になります。また疑問点が出てきましたら、いつでもご相談ください。
【ワンポイントアドバイス】
1. 男性は、出産予定日から育児休業を取得することができる。
2. 男性も、要件を満たしていれば育児休業給付金を受給することができるが、出産日が出産
予定日より遅くなった場合、雇用保険から受給できる育児休業給付金は、出産日から対象
となる。
(次号に続く)