医療事業所様向け情報(経営)11月号②
医療機関におけるマタハラ防止対策の取組状況
2017 年(平成29 年)より、妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント(以下、マタハラ)の防止措置を適切に講じることが、事業主の義務となっています。ここでは、今年7 月に発表された調査結果※から、医療機関におけるマタハラ防止対策の取組状況をみていきます。
80%近くで対策を実施
上記調査結果などから、医療機関(以下、医療,福祉)におけるマタハラ防止対策の取組割合をまとめると、下グラフのとおりです。
2017、2018 年度とも80%近い割合でマタハラ防止対策に取り組んでいます。産業計と比べると、両年度とも医療,福祉の方が取組割合は高い状況です。ただし、2018 年度の結果をみると情報通信業や金融業,保険業など、医療,福祉よりも高い取組割合の業種もあります。
具体的な防止対策
次に医療,福祉で行われている具体的な取組について、2018 年度の内容別の割合をまとめると下表のとおりです。
就業規則、労働協約等の書面でマタハラについての方針を明確化し、周知した割合が73.4%で最も高くなりました。次いで相談・苦情対応窓口を設置した割合も50%を超えて54.5%となりました。
2020 年にはまず大企業から、パワハラ防止対策が義務化されることになっています。医療機関でも、今後はマタハラやセクハラだけでなく、パワハラについても防止対策に取り組む必要があります。
貴院の取組状況はいかがでしょうか。
※厚生労働省「平成30 年度雇用均等基本調査」
日本標準産業分類に基づく16 大産業に属する、常用労働者10 人以上を雇用している民営企業のうちから、産業・規模別に層化して抽出した企業を対象に行われた調査です。詳細は次のURL のページからご確認ください。
https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00450281&tstat=000001051898&cycle=8&tclass1=000001132283&tclass2=000001132284
(次号に続く)
社会保険労務士法人
ヒューマンスキルコンサルティング
林正人