【介護・保育】人材定着ブログ6月号~ 「福祉事業所のキャリアパスとは⑫」
【介護・保育】人材定着ブログ5月号~ 「福祉事業所のキャリアパスとは⑪」
の続きです。
3、行動基準を作る際の留意点
「心構え」や「意欲」ではなく、具体的な「表情」「態度」「所作」「言葉」「行動」で表現
してください。
ex.「問題の解決に努めている」⇒これは「意欲」であって、「行動」ではありません。
つまり、「~できる」「~に心掛ける」「~に努める」という表現は避け、「~を(実践)している」という表現で書き出してください。
心構えや意欲ではなく、具体的行動もしくは成果で書き出すことが重要です。また、
できるだけポジティブな表現にすることも大切です。さらに書き出した後、良いものをピックアップして、皆で討議しながら、法人のみんなが共通で行っていく「行動基準」を決めていくことになります。
4、行動基準の作成により期待される効果
(1)行動基準を「行動評価基準」とすることができます。
(2)全職員一丸となって取り組むべき行動が明らかとなり、上司の部下指導の拠り所ができます。
(3)仕事のやり方も含め、業務上のノウハウ、コツの共有化が図れます。
(4)全職員の行動の質、業務の質、サービスの質を高めることができます。
5、行動基準の導入・浸透のステップについて
行動基準及び行動評価を職場にスムーズに導入していくには、下記に示すような段階を踏んで導入していくことをお勧めしています。いきなり行動基準が出来ているか、否かを評価される、というよりも、まずはその意味をよく理解した上で、実際に使用して行動してみる。それを繰り返し行うことで違和感なく、評価に進めるものと思います。
(1)ステップ1 :「導入フェーズ」 目的は、行動基準の「認知」「周知」
①モデル行動のカード化(いつでも確認することができるもの)
②朝礼での唱和等(繰り返しによる記憶)
(2)ステップ2 :「浸透フェーズ」目的は「意識し行動する」
①、職場単位でモデル行動の実践を相互に「認める」「褒める」
② 職場単位でモデル行動の実践事例(感動事例)を共有(朝礼、MTGなど)
③ 素晴らしい行動を「表彰」する(職場風土の醸成に貢献)
(3)ステップ3:「評価フェーズ」目的は「トライアル評価」
①評価シートを使い評価の実施(自己評価、上司評価)
②面談の実施
③評価シート等、課題の抽出と修正
6、行動評価の運用
行動評価の本質は「日頃の取り組み姿勢」なので、極力短いインターバルで、行動を確認する(「承認」する)必要があります。できれば、月に1回は自己評価および上司との面談を行い、上司評価を半年に1回の頻度で行うことをお勧めしています。
7、評価シートの事例紹介
表の用語説明
*行動要素とは、経営理念から導かれる「キーワード」
*標準的な行動:「全員に行ってもらいたい行動」*モデルとなる行動:「見本になるような素晴らしい行動」
*自己評価欄には「〇ほぼ出来た、△出来た時と出来てない時が半々、×ほとんど出来ていない」を記入。
以上が行動基準と行動評価に関する概要とそのポイントとなります。