医療事業所様向け情報(経営)5月号③
医療機関でみられる人事労務Q&A
『職員ミーティングを効果的に進めるためのポイント』
Q:
当院では、定期的に職員を集めてミーティング(職員ミーティング)を行っていますが、単なる事務連絡ばかりになっていて、有効な場となっていないように感じています。次回はテーマを「患者満足度の向上」としていますが、もっと効果的に進めるためのポイントを教えてください。
A:
職員ミーティングのような場で、組織の考え方や取組について伝えたり、職員の意見を平等に聞き出したりすることで、職場の活性化や、風土改善につなげたりすることがあります。そのためには、ミーティングの目的を明確にし、テーマの具体的な内容について期限を決めて進めていくことが重要です。
詳細解説:
1.目的の明確化
職員ミーティングを実施するにあたって、目的が明確になっていなければ、各々が好勝手な話題を出し合う、問題を議論するだけ、の場となってしまうことがあります。その結果、時間を割いて参加した職員に不満が溜まり、モチベーションの低下につながります。
このような問題を避けるためには、そもそもどのような目的でミーティングを実施するのかについて、あらかじめ明確にしておく必要があります。
たとえば、次回のテーマである「患者満足度の向上」であれば、まずは、組織のトップである院長等が、医院の方針を明確にしたうえで、このテーマに取り組む目的と、想定するゴールを伝えておくことで、ミーティングで話がそれたときであっても元の目的に戻ることができ、有意義な時間にすることが可能となります。
2.効果的な進め方のポイント
時間に余裕が取れるのであれば、次回のテーマについて、各自または部署内で情報収集をしたり、意見を事前にまとめたりしたうえで、ミーティングを実施します。
実施後、実際に対応が必要になる事項に関しては、担当者や責任部署をミーティング内で決定し、次回のミーティングまでに行動を起こし、必要に応じ、院長等の決裁を仰ぎ、その結果を報告する流れを作ります。
また、ミーティングを開始するにあたって、終了時間と終了時までに決めるべきことを明確にし、共有しておくことが重要です。こうした事項を先に伝達することによって、参加者は、検討すべき課題に沿って、終了時間の意識を持ちながら議論を進めることができます。
なお、ミーティングは必要に応じて随時開催するものであって、毎月強制してやるものではありません。無理にテーマを作って、ミーティングを開催すること自体が目的とならないようにしましょう。
(来月に続く)