医療事業所様向け情報(経営)10月号①
慰労金、従業員支給時の留意点
7 月より新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金の申請受付が始まり、順次給付も行われています。申請はお済みでしょうか。今回は、申請から職員への支給まで、医療機関が処理を行う上での注意点をご案内します。
慰労金の支給は源泉徴収なしで
この慰労金は、医師・看護師に限らず、受付・会計窓口の職員やドライバー等、患者との接触機会のある職種が幅広く支給対象となります。要件や支給額は、厚生労働省のホームページ等でご確認ください。
厚生労働省ホームページ:「新型コロナウイルス感染症対応従事者慰労金交付事業」について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000098580_00001.html
慰労金を受け取ることができるのは職員本人ですが、その手続きは医療機関が行います。
- 職員の委任状を集め、代理申請(所定の申請書を作成し、各都道府県の国民健康保険団体連合会(国保連)にオンライン等で提出)します。
- 交付決定後、国保連より医療機関に慰労金がまとめて振り込まれます。
- 医療機関から対象となる職員に対し、個々に慰労金を給付します。
- 実績報告を申請先に提出します。
職員に支給する際、以下の点にご注意ください。
【医療機関における慰労金の取扱いの留意点】
✓ 受給は1 人につき1 回限り
複数事業所に従事している職員については、重複申請とならないように注意しましょう。
✓ 「収入」として会計処理をしない
レセプトと同様、国保連を通じて請求し、診療報酬の振込口座に振り込まれます。この慰労金は、医療機関にとって「収入」ではありません。会計処理上、「預り金」や「仮受金」などの
通過勘定を用いて、収入として計上しないように注意しましょう。
✓ 支給の際に源泉徴収しない
この慰労金には税金がかかりません(非課税所得)。源泉徴収しないように留意しましょう。
✓ 必ず全額、職員に支給を
国保連より振り込まれた慰労金は、留保することなく、対象職員に確実に支給してください。受給権の譲渡や差押えは禁止されています。この点にもご留意ください。
(次号に続く)