医療事業所様向け情報(経営)1月号①
令和 3 年度の税制改正要望 医療編
今回は、厚生労働省が提出した令和3 年度税制改正要望から、医療に関する主な項目をご紹介します。令和3 年度は予算の概算要求と同様、新型コロナ感染拡大防止の影響で1 ヶ月遅れの始動です。
地域医療関連から3 つご紹介
地域医療に関連した改正要望を3 つご紹介します。
⚫ 地域医療提供体制確保の3 特例の延長
次の3 つの現行制度について、適用期限の2年間延長が要望されました。
① 医師やその他の医療従事者の勤務時間短縮のために必要な器具、備品及びソフトウェアの特別償却制度
② 地域医療提供体制の確保のため地域医療構想で合意された病床の再編等の建物及びその附属設備の特別償却制度
③ 取得価格500 万円以上の高額な医療用機器を取得した場合の特別償却制度
③については、対象機器の見直し等も要望されています。
⚫ 地域医療構想のための優遇税制の創設
地域の医療機関の再編統合による資産等の取得(改修工事含む)が行われた場合に、不動産取得税、固定資産税及び登録免許税を軽減す
る税制措置を設けることが提起されています。
⚫ 地域連携薬局の不動産取得税特例の創設
患者自身が自分に適した薬局を選択できる、機能別の認定制度が導入されます(令和3 年8月1 日施行)。認定薬局は次の2 つです。
認定薬局の要件に適した患者等に配慮した構造等とするための負担軽減策として、中小企業者による認定薬局の用に供する不動産の取得に係る不動産取得税に関して、不動産価格6 分の1 に相当する額を価格から控除する課税標準の特例の創設が要望されました。
なお、上記以外に、持分なし医療法人への移行促進のための納税猶予制度創設、セルフメディケーション推進のための医療費控除の特
例の延長等も要望されています。
参考:厚生労働省「令和3 年度厚生労働省税制改正要望について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000175981_00006.htm
(次号に続く)