【介護・保育】人材定着ブログ3月号~ 「福祉事業所のキャリアパスとは㉑」
【介護・保育】人材定着ブログ1月号~ 「福祉事業所のキャリアパスとは⑳」
の続きです。
今回は評価者に是非、知っておいてほしい評価者の心構えと留意点についてお伝えしたいと思います。評価をするにもぜひ知っておかなければならない基本的なルールや、自ら気を付けなくればならない「評価者のクセ(エラー)」などがあります。それらを知識として知ったうえで実際の評価を行うのと、全く知らないで評価を行う場合とでは、結果に大きな差が生じますので、事前に評価者研修などを受講いただいた上で、評価に入っていただきたいと思います。
1、評価者の心構え
評価スキルを学ぶ前に、大前提として評価者に持っていただきたい「心構え」についてをお伝えいたします。
(1)人事評価の制度内容、仕組を十分に理解していること。
(2)部下の育成が最大の目的であることを理解していること。
部下の昇給や昇格を念頭に置いた評価をしないこと。
(3)部下と面談(コミュニケーション)の機会を多くもつこと。
部下に対して期待していることを明示すること。
(4)人物評価でなく、事実に基づいて評価すること。
部下の行動を観察し、事実を記録すること。
(5)管理者として自らのマネジメント能力を磨くこと。
部下の能力を的確に把握し、職務(等級)にふさわしい仕事を与え、情報を提供し、
指示・命令を出し、権限を委譲し、適切な支援を行うこと。
2、「評価エラー」に関する留意点
次の項目は評価者がよくやってしまう「評価エラー」と言われるもので、まずはそのパターンをご紹介するととともにその対応策も含めてお伝えいたします。
(1)「ハロー効果」に注意する(先入観や印象で評価しない)
①全体的印象ハロー効果
部下の人物・行動の全体から受ける印象や、いったん自分の頭の中で作り上げて
しまった部下の全体評価を先入観として持ってしまい、この全体的印象が強いため、
無意識の内に、部分部分の特性の評価を歪めてしまうこと。
②部分的印象ハロー効果
部下の何か一つまたはいくつかの特性に際立って優れた点があり、これに対して
「優秀である」「高度である」と強い印象を持ってしまうと、他に劣っている特性
があっても、全体として「優秀」「高度」であると歪んだ評価をしてしまう傾向
(例えば売上成績が良いと販売促進企画も開拓力もクレーム処理もすべて良いと
判断してしまう場合等)
③対応策
・考課項目一つ一つの意味を正確に理解し、項目ごとに事実情報・記録を確認しな
がら評価する
・全体的印象や部分的印象にとらわれていないかを絶えず自問自答しつつ、部下を
分析的に様々な角度から観察し、評価するように努めること。
(2)「寛大化傾向」に注意する
所謂、評価が相対的に「甘く」なってしまう傾向です。
①このエラーが起こりやすいケース
・日頃一緒に仕事をしている部下に対して、「厳しい評価をして恨まれたくない」
「次に厳しい仕事の指示がしづらくなる」「評価について、部下から文句をつけ
られたら煩わしい,説明できない」「部下に良い顔を見せておきたい」などの
気持ちが働く場合
・日頃から公私にわたって親しく付き合っている部下、特に仕事上で頼りにして
いる部下、自分が理解できない難しそうな仕事をしている部下を評価する場合
・部下が昇進・昇格の候補年次に近づいて来た時、上司として「何とかあの人を
昇進させたい」という思いにとらわれた場合
・自分の職場の部下を他の職場の者より「賞与を多くしたい」「早く昇格させたい」
などの競争意識が働く場合
②対応策
・部下それぞれに期待されるレベルに相応しい目標・課題を与える
(職務基準や職能要件等がある場合、期待基準に照らして評価する)
・曖昧な印象や思惑を排して、考課項目ごとに、観察・記録した具体的事実に
基づいて評価する姿勢に徹すること。
・人事考課の重要な目的の一つが、部下の問題点を正しく捉え、これを指導・育成
に結びつけるための情報収集の手段であるという認識を深めること。