【介護・保育】人財定着ブログⅣ6月号~ 「福祉事業所のキャリアパスと㉔」
【介護・保育】人財定着ブログ5月号~ 「福祉事業所のキャリアパスとは㉓」
の続きです。
面談のポイント
①「評価点」「改善点」の両方をしっかりと部下に伝える
「ここがダメだった、あれも悪かった」などと、悪かった部分の指摘ばかりをすると、
部下・後輩は「失点を少なくすること」を意識し過ぎ、積極性を失います。人事評価の最大のねらいは「部下育成」です。評価においては、「しっかりとほめる」ことを忘れずに、必ず「評価できる点」と「改善点」の両方をしっかりと被評価者にフィードバックしてください。この明確なフィードバックが評価の透明性および納得性につながります。
②改善点の指摘には具体的なアドバイスを添える
評価においてはほめることが重要ですが、やはり改善点に触れておくことが必要です。
改善点を指摘する際には、自身の経験などを交えながら具体的なアドバイスを心がけます。部下の立場に立った適切なアドバイスが評価の信頼性の確保につながります。
【アドバイス例】
×: 業務を進めるうえで独断的なところがある。直したほうがいいよ。
○: △業務については、○○さんがスペシャリストだから、
○○さんと相談しながら進めたほうが良いと思うよ。私も若いころはすべて自分で
背負い込んでいたが、他の人の力を借りるのも大切な能力だって最近は思うよ。
(4) 下位評価を伝える際のポイント
①面談の流れ
・事前に問題だと感じることを徹底的に調べ、課題点を洗い出しておく(同時に解決策も考えておく)
・相手の気持ちに配慮しながら下位評価を伝える
・事前に用意しておいた課題点を本人と確認しながら、解決策を考える
・一緒に課題を解決しよう、という姿勢を示す
・期待をつげ、フォローする
②面談時のポイント
・何が問題なのかを明確にする
例えば仕事の手順が問題になっているということを伝えたい場合、必ず、「問題は仕事の手順だけ」であることをはっきりと伝えます。特に大切なのは、全てを否定しているわけではないということを明確にすることが必要です。
・自分の考えや意見を理解してもらうために、一度全てを受け入れる
自分の考えや意見を理解してもらうためには、一度相手の意見を受け入れた上で、
双方の問題点を整理していくようにします。
どちらかの意見に間違ったところがあっても、すべての意見を伝え合ったあとに話し合い、
修正していけば良いのです。
以上が、評価の結果を伝えるフィードバック面談の留意点となります。
2、重要なコミュニケーション手段としての面談
もちろん面談は評価結果を伝えるだけでなく、とても大切なコミュニケーションの手段です。介護職に携わるひとたちは、心に秘めた思いが強いがゆえに感情が先走ってしまい、その思いを言葉にして相手に伝えたり、自分の状態を認識して言葉にしたりするのが苦手な人が多いという特徴があります。そのためか、「うまく言葉にできないのですが・・・」ということをよく言います。また、ご利用者のためを思い、要求にこたえていくうちに際限がなくなり、自ら自己犠牲のモードに入っていき、結局はつらくなって辞めてしまう人もいるということをお伺いします。従って、上司はまずコミュニケーションをとりながら、かれらの気持ちや想いをよく聞くことが大切になります。そのような過程を経ずに、目標を押しつけてもそれは「やらされること」になってしまいストレスの温床になってしまうのではないでしょうか。したがって、まずはできるだけコミュニケーションの「場」を作ることが必要です。そもそも、日本人には求められないから主張しないという人が圧倒的に多いので、「ただコミュニケーションが大切」「部下とのコミュニケーションをとってください」といわれても「場」が無ければコミュニケーションをとることはなかなか難しいものです。ですから、上司やリーダー層の人たちは部下とのコミュニケーションの場をできるだけ多く、積極的に作っていくことが必要です。この「場」作りを、職場の「仕組み」にすることが出来れば
「場」づくりが業務の一つであるという認識が上司やリーダー層にできるようになり、
それによりコミュニケーションの「量」は飛躍的の増えることになります。
つまりここで大切なのは、コミュニケーションの時間は業務として作り出すものであって、「仕事に余裕があったら行う」ものではないという認識が必要であると考えています。
話を聞く「場」である面談を「定期的に」行う仕組みづくりを是非行っていただきたいと思います。そのような話をすると、現場管理者から言われるのは「人手不足でそんな時間的余裕がない」とか「上司と部下のシフトを調整するのが大変」もしくは「仕事でちゃんと声掛けでコミュニケーションをとっているからうちの職場は問題ない」といった言葉です。確かに慢性的な人手不足の中で現場を回していかなければならない現場管理者にとって、大きな負担であることはよくわかります。でも本当に部下とともに職場をよくしていきたいと思うなら、ぜひ「面談をやってみるには、どうすればいいのか」という発想で、施設長など経営陣の理解と協力を得ながら、実践のための知恵を絞っていただくことを、是非行っていただきたいと思います。