保育事業所様向け情報(労務)5月号①
5月から変更された雇用調整助成金の特例措置等
新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の感染拡大により、雇用調整助成金に特例措置が設けられ、これまで多くの申請が行われてきました。現状でも一部地域で緊急事態宣言が発出されるなど、未だ新型コロナの感染拡大が収束する見通しは立ちませんが、5月からは雇用調整助成金の原則的な措置の縮減が行われる一方、感染が拡大している地域、特に業況が厳しい企業等についての特例が設けられました。
1.助成額と助成率の見直し
新型コロナの影響に伴う雇用調整助成金の特例は、2021年5月および6月について、①全国の原則的な措置、②地域特例(まん延防止等重点措置対象地域の知事による基本的対処方針に沿った要請を受けて、一定の営業時間の短縮等に協力する飲食店等の事業所)の措置、③業況特例(生産指標が前年または前々年の同期と比べ、最近3ヶ月の月平均値で30%以上減少した全国の事業所)の措置、の3つに分かれます。②③については2021年4月までの特例が、2021年5月および6月にも適用されることになりますが、①については、雇用調整助成金等の1人1日あたりの助成額の上限が13,500円に、事業主が解雇等を行わず、雇用を維持した場合の中小企業の助成率が9/10に引き下げられました(右表参照)。
なお、緊急事態宣言が発令された地域では、厚生労働省令の改正等が行われ、特例措置が設けられる予定です。
2.対象者と支給上限日数の見直し
1.のほか、支給対象者と支給上限日数について、以下の見直しが行われました。
- 継続して雇用された期間が6ヶ月未満の雇用保険被保険者についても助成の対象者とすること等について、雇用調整助成金の対象期間の初日が2020年1月24日から2021年6月30日までの間にある場合に変更する。
- 新型コロナの影響による休業等について、雇用調整助成金に係る支給上限日数に加えて支給を受けることができること等とする期間を、2020年4月1日から2021年6月30日までに変更する。
2021年3月25日の厚生労働省の発表によると、7月以降については雇用情勢が大きく悪化しない限り、1.の措置についても、それぞれさらに縮減される予定です。新型コロナの感染状況とともに、雇用調整助成金の情報についても確認することが求められます。(2021年5月6日現在の情報に基づき作成しています。)
(次号に続く)