介護職が離職を考えた理由、ハラスメントが最多 利用者との人間関係も 組合調査
職場でのハラスメントは人材の離職につながる可能性が非常に高い − 。介護職で組織する労働組合「UAゼンセン日本介護クラフトユニオン(NCCU)」が20日に公表した調査レポートでは、そうした結果が報告されている。
働くうえでの不安はあるか? 月給制で現場を支える介護職にそう尋ねたところ、76.0%が「ある」と回答。その最大の理由では、「自分の体力・体調(24.4%)」や「賃金・貯蓄(22.8%)」などが多く、「上司や利用者・家族のハラスメント」は2.3%と少なかった。 一方で、こうした不安から離職を考えたことがある人の割合をみると、「上司や利用者・家族のハラスメント」が93.2%で最多。以下、「利用者・家族との人間関係がうまくいかない」が76.9%、「事業所内の人間関係がうまくいかない」が76.7%と続いていた。 NCCUの村上久美子副会長は会見で、「人間関係を最大の不安と位置付ける介護職は少ないが、実際に問題が起きれば離職に直結しやすい」と指摘。「職場のハラスメントなどの対策は、人材確保のうえで非常に重要」と述べた。 この調査は今年3月から4月にかけて行われたもの。NCCUの組合員8604人が対象で、月給制の介護職では4124人の回答を集計している。 結果ではこのほか、働くうえでの現状の不満について70.0%が「ある」を選択。その最大の理由は多い順に、「賃金が安い(30.9%)」「仕事量が多い(18.8%)」「何年経っても賃金が上がらない(7.4%)」となっていた。 (介護ニュースJOINTより)