増える新型コロナへの罹患に伴う労災請求と決定件数

新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」という)の感染拡大が止まらず、8月27日から新たに北海道、宮城県、岐阜県、愛知県、三重県、滋賀県、岡山県、広島県に緊急事態宣言が発令されることが発表されました。

 新型コロナに感染し、それが業務に起因して感染したものであると認められる場合には、労災保険給付の対象となります。また、新型コロナによる症状が継続(遷延)し、療養や休業が必要と認められる場合にも、労災保険給付の対象となります。新型コロナの感染拡大により、この労災保険の請求は増加しており、2021年7月30日現在では、請求件数の累計が15,936件、決定件数の累計が11,480件に上りました。

 当然ながら新型コロナの治療や看護の最前線になっている医療従事者等の請求が高い割合を占めていますが、医療従事者等以外では社会保険・社会福祉・介護事業において請求件数が多くなっています。

 厚生労働省は、「職場で新型コロナウイルスに感染した方へ」というリーフレットを公開し、以下のような場合は労災保険給付の対象となるとして周知しています。
・感染経路が業務によることが明らかな場合
・感染経路が不明の場合でも、感染リスクが高い業務※に従事し、それにより感染した蓋然性が強い場合
 ※(例1)複数の感染者が確認された労働環境下での業務
 ※(例2)顧客等との近接や接触の機会が多い労働環境下の業務
・医師・看護師や介護の業務に従事される方々については、業務外で感染したことが明らかな場合を除き、原則として対象

 当然ながら感染防止をし、感染しないことが重要ですが、業務に起因して感染したものであると認められる場合には、適切な対応を進めましょう。

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