ワクチン接種で行動制限緩和、介護施設の面会は「これからの議論」 政府

政府は9日の新型コロナウイルス対策本部で、今後の日常生活の回復に向けた考え方を決定した。ワクチンの接種と検査での陰性を組み合わせて行動制限を緩和していく内容だが、介護現場の取り扱いはどうなっているのか。


今回の政府の決定には、介護施設の入所や面会などをどう考えるかという記載がない。9日夜に取材対応にあたった内閣官房の担当者は、「これからの議論だということ」と説明。その特性を考慮して更に検討を深めていく構えをみせた。

専門家らが今月3日にまとめた提言には、介護施設の入所や面会などに「ワクチン・検査パッケージ」を活用する案が盛り込まれていた。

西村康稔経済再生担当相は9日夜の会見で、「どんな場面で『ワクチン・検査パッケージ』を使えばいいのか。幅広い理解と協力を得なければいけない。国民的な議論を経て具体化していきたい」と説明。「介護施設でワクチンを2回接種した高齢者が感染する例も少し出始めている」とも述べた。

会見に同席した政府分科会の尾身茂会長は、「色々な選択肢があるが、まずは国民の共感や納得を得られなければうまく機能しない。政府が一方的に進めるようなことは避けるべき」と注文した。

政府は全ての希望者が2回のワクチン接種を終える11月頃から、「ワクチン・検査パッケージ」の運用を始めたい考え。今回の決定には、「ワクチンを接種していない人が不利益を被ることの無いよう十分に配慮する必要がある」と明記した。(介護ニュースより)

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