医療事業所様向け情報(労務)10月号①

2年ぶりに大幅な引上げとなる2021年の最低賃金

1. 最低賃金の種類と改定タイミング

 賃金については、都道府県ごとに最低額(最低賃金)が定められており、企業はその額以上の賃金を労働者に支払うことが義務付けられています。
 この最低賃金には、都道府県ごとに定められた「地域別最低賃金」と、特定の産業に従事する労働者を対象に定められた「特定(産業別)最低賃金」の2 種類がありますが、このうち「地
域別最低賃金」は、毎年10 月頃に改定されることになっています。2021年度について全都道府県の各地方最低賃金審議会で調査・審議が終了し、官報で公示されました。

2.2021 年度の地域別最低賃金と発効日

 2021年度の地域別最低賃金と発効日は、下表のとおりです。コロナ禍で2020 年は据え置きか、わずかな引上げに止まりましたが、2021年度はすべての都道府県で28 円以上の引上げとなっています。なお、全国加重平均は902 円から930 円へ3.1%の引上げとなりました。この28 円の引上げは、昭和53 年度に目安制度が始まって以降の最高額です。
 パートタイマー・アルバイト等の時給者の賃金が最低賃金を下回っていないかを確認するとともに、月給者についても1 時間あたりの賃金額を算出し、確認するようにしましょう。

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