医療事業所様向け情報(経営)10月号①
補助金受給後は、各種報告をお忘れなく
新型コロナ感染拡大に伴い、昨年来、医療機関等を対象とした種々の緊急的・臨時的な補助金事業が実施されています。これらの中には、事後に一定の報告を要するものもあります。代表的な補助金を例に手続きの流れを整理します。
概算で請求したら、実績報告も
例えば、医療機関や薬局における感染拡大防止等を支援するために、国が実施している補助金で、令和 3 年 4 月 1 日から 9 月 30 日までに係る経費が対象となる、「令和 3 年度新型コロナウイルス感染症感染拡大防止・医療提供体制確保支援補助金」(以下、令和 3 年度)。この補助金は、申請日以降に発生が見込まれる費用について概算で申請した場合、事業(支出)終了日から 1 か月以内に厚生労働省へ実績報告書を提出しなければなりません(最終期限は令和 4 年 4 月 10 日)。また、対象外の経費が含まれていた等の理由で、概算の交付額が確定の金額を上回った場合には、その上回る金額の返還が求められます。
なお、経費の収支の分かる書類・帳簿等については、5 年間の保存が定められています。
確定申告後に、消費税の報告も
この他、消費税(地方消費税を含む。以下同じ)の報告も必要です。これは令和 2 年度に実施されたいくつかの補助金において求められた消費税の報告と同様です。令和 2 年度分では各都道府県から報告様式が届き、戸惑われた方も多いかと思いますが、令和 3 年度は、令和 5 年 6 月 30 日までに厚生労働省へ消費税の報告を行います。
この報告は、原則、全ての事業者に求められています。例え仕入控除税額が0円の場合でも、消費税の計算方法が簡易課税による場合や、消費税の申告義務がない事業者であっても、報告書を提出しなければなりません。
なお、この報告により仕入控除税額がある場合は、その分を返還します。この場合の返還額(仕入控除税額)は、補助金確定額のうち、消費税の計算上、仕入控除税額として課税売上に係る消費税から控除した部分を指します。
例.
課税売上割合 95%以上、かつ、課税売上高5億円以下の事業者の場合…返還額=補助金額×10/100