「高齢者を元気にして、介護保険が必要ない状態にしたい」 一期一笑・吉田聡さん

 

《 一期一笑 通所介護事業所の様子 》

「利用者さんには介護保険が必要ない状態に戻って欲しい」− 。

こう語るのは、多摩地域で9事業所を構える「一期一笑(いちごいちえ)在宅ケアグループ」で専務取締役を務める吉田聡さん。高齢者を元気にすること、要介護度を下げることを重視したサービスを実践しており、その前向きな考えをYouTubeでも発信している。事業展開への思いや今後のビジョンを聞いてきた。

 −− 高齢者の支援で大切にしていることは何ですか?

《 一期一笑 吉田聡さん(撮影時のみマスクを外して頂きました)》

誰かに介護されることを望んで要介護の状態になっている方っていませんよね。ですから私達は、これまでずっと高齢者の自立を1つのゴールと位置付けてきました。利用者さんに介護保険が必要ない状態に戻ってもらうことを、1つの重要な目標に掲げています。利用者さんとは日々、介護保険が不要になっても「一期一笑に来たい」「一期一笑と関わりたい」と思ってもらえるように接しているんです。

  −− 自立支援の取り組みで工夫していることは何ですか?

運動、水分摂取、食事などを大切にしています。人間としてごく自然なことを、ごく自然にできるようになって頂きたい。運動では特に歩行に力を入れてきました。歩いて自分の行きたいところへ行く、ということは何より大事ではないでしょうか。例えば職員が付き添う事業所周辺の散歩は、可能な範囲で毎日行っているんです。

《 事業所周辺の散歩の様子 》

  −− LIFE(科学的介護情報システム)や各種加算にはどう向き合っていますか?

介護現場のデータを幅広く収集し、そのフィードバックをサービスの質の向上に活かしていく − 。LIFEは理にかなっていると捉えています。今後、少しずつ根拠に基づくケアが実践できるようになるのではないでしょうか。

職員の負担にも配慮しつつ、加算はなるべく算定していこうと努力しています。そのためにも、古くて非効率になってしまった仕事の方法は積極的に見直さないといけません。業務をできる限り効率化することを心がけています。

  −− 今後の抱負を教えてください。

高齢者を元気にする、要介護度を下げる好循環を生み出したいですね。サービスを使い始めた方が改善して使わなくなり、また次の方が入ってきて卒業していく − 。そんなサイクルを作れればうれしいな、というのが私のモチベーションなんです。

地域に元気な高齢者がたくさん生まれれば、きっと評判になって多くの利用者さんが来てくれるでしょう。そんな思いで職員と力をあわせて事業を展開してきました。これからも更に頑張っていきます。

一期一笑 在宅ケアグループ

《 一期一笑で働く職員さん 》

「ご利用者様をより元気にし、要介護度を下げる」が企業理念の1つ。"活動中心型"のデイサービスを軸に展開。訪問介護、訪問看護、居宅介護支援なども運営している。専務取締役の吉田聡さんは、YouTubeチャンネル「介護YouTube大学」で「よっしー」としても活躍中。

 

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