介護事業所様向け情報(経営)11月号①
平時から備える「感染症流行対策」
新型コロナウイルス感染症に加え、インフルエンザにも気を配る季節を迎えます。たとえ感染者が出たとしても、高齢者施設は簡単にサービスを止めることができません。感染予防だけでなく、感染後を想定した備えも不可欠です。
実例から学ぶ対応策
施設内で感染者が出た場合にどう行動すればよいのか、心の準備はできていますか?
厚生労働省の事例集※に掲載された職員感染の実例から、事前策を考えてみましょう。
① A 施設で職員が感染!!
濃厚接触者となった職員数名も自宅待機に…
② 残った職員でシフトを組んでギリギリの対応
一人一人の負担が増え、疲れの色が…
対応策(例):
シフト変更後でも必要な休養が取れるよう、普段からこの状況を想定した体制構築と管理者の配慮が求められます。
③ 苛酷な状況に「辞めたい」と言い出す人が…
風評被害を恐れた職員からは「しばらく休みたい」と申し出もあり…
対応策(例):
人員不足に追い打ちをかける離職や出社拒否は、避けたい展開の一つ。職員が気軽に不満や悩みを打ち明けられる相談体制を、日頃から構築しておくことが重要です。
④ B 施設に対し、応援職員の派遣を要請
⑤ 何を依頼したらよいのか分からず、応援職員への引継ぎが混乱…
A 施設職員の負担がますます増える結果に…
対応策(例):
事前のシミュレーションによる備えが必要な場面です。応援体制について、自治体の情報や手順を確認し、応援職員に「誰が」「何を」「どのように」伝えるのか等をまとめた「受援計画」を、前もって用意しておくと安心です。
他にもこの事例集には、日頃の体調確認や面会等の注意点、陽性者発生時の初動対応、クラスター対応等についてまとめられています。体制の点検にもお役立てください。
※厚生労働省「高齢者施設等における新型コロナウイルス感染症に関する事例集」(令和 3 年 3 月 9 日版)
https://www.mhlw.go.jp/content/000750414.pdf