介護職の賃上げ、居宅のケアマネらは対象外に 政府方針 補正予算案を閣議決定
《 岸田文雄首相(2021年10月撮影)》
政府は26日の臨時閣議で今年度の補正予算案を決定した。歳出の総額は35兆9895億円で、介護職の給与を来年2月から月額3%程度(9000円)引き上げる財源も盛り込んでいる。
介護分野の賃上げの原資は1000億円。これは全国138万人の介護職員の給与を月額3%程度引き上げる額として計上された。
政府はこれまで、介護職員以外の多職種にも配分する柔軟な運用を認めるとアナウンスしてきたが、メインターゲットはあくまで介護職員とする方針。そもそも介護職員がいない事業所、例えば居宅介護支援や福祉用具貸与などは現時点では対象外とする考えだ。施設などでは多職種にも配れる形を想定。介護報酬の「特定処遇改善加算」に似た対象範囲とする方向で調整を進める。
詳細な配分ルールについては固めておらず、今後も検討を深めていく。居宅のケアマネジャーらが除外されることも含め、補正予算案を審議する臨時国会でも論点の1つとなる見通しだ。
政府は来年2月からの賃上げを全額国費の交付金によって具体化する計画。今回の1000億円は9月までの財源で、10月以降は来年度の当初予算で工面する。交付金から介護報酬の加算などに切り替える案が出ており、10月以降の具体的な対応策も今後の重要な焦点となる。(出典 介護ニュース)