介護事業所様向け情報(労務)1月号③
女性活躍推進法における行動計画の策定等の拡大
このコーナーでは、人事労務管理で問題になるポイントを、社労士とその顧問先の総務部長との会話形式で分かりやすくお伝えします。
総務部長
2022 年4 月から女性活躍推進法における一般事業主行動計画の策定・公表の義務対象が、労働者数301 人以上から101 人以上の企業に拡大されると聞きました。この101人以上とは正社員の数で判断すればよいですか。
社労士 「常時雇用する労働者数」で判断することになっており、正社員だけでなくパートタイマーや契約社員、アルバイトなど、その名称に関係なく、無期契約の従業員、有期契約の場合は過去1 年以上継続して雇用している従業員や1 年以上継続して雇用する見込みの従業員を含みます。
総務部長 なるほど。有期契約の従業員も労働者数に含める必要があるのですね。そうなると当社は101 人以上になりそうです。どのようなことを準備すればよいのでしょうか。
社労士 取り組むべき事項は、大きく分けて3 つのステップに分かれています。①女性労働者の活躍状況の把握と課題分析、②一般事業主行動計画の策定・社内周知・公表、③都道府県労働局へ届出・年1 回の情報公表の3 つです。
①は、自社における採用者に占める女性比率や労働者に占める女性比率、平均勤続年数の男女比、月別の平均残業時間数、管理職に占める女性比率など、自社の女性の活躍に関する状況を把握します。その上で把握した内容をもとに自社の課題を分析します。
総務部長 活躍状況の把握と課題分析ですか。時間がかかりそうです。
社労士 確かに様々な数字の確認が求められますね。そして、②として状況把握、課題分析の結果から、女性活躍を推進するための計画期間、数値目標、取組内容、取組の実施時期を盛り込んだ行動計画を策定します。策定後には、すべての従業員に行動計画を周知し、自社のホームページに掲載するなど外部にも公表を行う必要があります。
総務部長 次世代育成支援対策推進法の一般事業主行動計画と同じように、周知・公表が必要なのですね。
社労士 最後に、③として一般事業主行動計画を策定した旨を都道府県労働局へ届け出ます。また女性の活躍に関する情報公表として、定められた項目から1 項目以上を選択して外部に向けて公表する必要があります。さらに公表した情報の内容は、おおむね1 年に1 回以上更新し、いつの情報なのかがわかるように更新時期を明記することになっています。
ONE POINT
① 2022 年4 月から女性活躍推進法における一般事業主行動計画の策定・公表の義務対象が、301 人以上から101 人以上に拡大される。
② 2022 年4 月1日までに101 人以上300 人以内の企業は、一般事業主行動計画の策定・情報公表を行う必要がある。