介護事業所の実地指導、名称を「運営指導」に変更 厚労省 新年度からオンライン対応を容認
《 厚労省 》
介護施設・事業所に対する自治体の実地指導について、厚生労働省は新年度から、現場の負担軽減に向けてオンライン会議ツールの活用をルール上明確に認めていく。必ずしも"実地"ではなくなることから、その名称は「運営指導」に改める。
今年度中に指導指針を改正する。自治体向けの政策説明会の資料を10日までに公式サイトに公表。その中で明らかにした。近く解説用の動画も出す。オンライン会議ツールによる運用が認められるのは、コロナ禍の特例を除けば今回が初めてとなる。
厚労省は改正後の指導指針で、介護施設・事業所の「運営指導」の内容を次の3点に明確化する方針だ。
(1)介護サービスの実施状況の指導
個別サービスの質(施設・設備や利用者へのサービス提供状況などを含む)に関する指導
(2)最低基準など運営体制の指導
運営基準などに規定された運営体制に関する指導
(3)報酬請求の指導
加算などの介護報酬請求の適正実施に関する指導
このうち(2)と(3)について、オンライン会議ツールを活用することが可能だと明記する。介護現場と自治体の双方の負担に配慮した措置で、「実地でなくても確認できる内容」と整理する意向を示した。
「運営指導」の頻度は、従来通り指定の有効期間(6年)の間に少なくとも1回以上とする。厚労省はこのほか指導指針に、
◯ 標準化・効率化による所要時間の短縮
◯ 同一所在地や関連する法律に基づく指導・監査の同時実施
◯ 確認する書類の対象期間の限定
なども書き込む考えだ。
厚労省は1月、介護現場の事務負担の軽減に向けた方策を話し合う専門委員会で、こうした見直しを固めていた経緯がある。当初は実地指導の名称を「個別指導」とする案を掲げていたが、「医療分野と混同する」などの指摘を受けて「運営指導」を採用することにした。(介護ニュースより)