介護職の処遇改善 これまでと今後

介護職の処遇改善(収入の3%、月額9,000 円の賃上げ)が2 月から実施されます。当面は交付金で措置されますが、恒久的な賃上げを叶える財源をどう確保するか、議論が広がっています。これまでの取組を振り返ってみましょう。

交付金支給か、介護報酬での対応か

 介護職の処遇改善の取組は、2009 年度の介護報酬改定と交付金に始まります。しかし、交付金のような時限措置を基本給の引上げにつなげることは実質困難で、このときも一時金などの単発的な対応が主流となりました。
 そこで、2012 年度改定では、事業者にとって継続可能な賃上げの財源となるよう、介護職員処遇改善加算が新設されました。さらに2019 年度改定では、経験・技能ある職員に対しさらなる処遇改善を進めることを目的に、特定処遇改善加算が登場しています。
 今回の取組は、9 月分までの財源を交付金として予算計上し、10 月分以降は臨時改定にて対応する方向で検討されています。政府は確実な賃上げにつながる方策を模索していますが、現場にとっては配分ルールの柔軟性や事務負担の軽減も優先課題です。加えて、安定的な財源となるよう、後に控える2024 年度の改定にどう継承されるのかも見逃せません。

 

参考:財務省 財政制度分科会(2021 年11 月8 日開催)資料
https://www.mof.go.jp/about_mof/councils/fiscal_system_council/subof_fiscal_system/proceedings/material/zaiseia20211108/01.pdf

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