今年も見られる「保育園預け控え」の傾向、補助金を出す自治体も

新型コロナウイルスへの感染の懸念から、今年も保育園への預け控えの傾向が見られます。特に第6波は子どもに感染が広がり、休園する施設が急増しているため、二の足を踏んでいる保護者が多いと考えられます。
しかし、園児が減少すると保育園の経営が悪化してしまうため、支援に乗り出す自治体も出てきました。

2021年の春からコロナを理由とした預け控えは目立っていました。厚生労働省の調査によると2021年4月の認可保育園の申込者数は2009年の調査以来、始めて前年を下回りました。
全国の待機児童の数は過去最少の5,634人となりましたが、その理由として「預け控え」があるようです。

一方で、悩んだ末に入園を決意した保護者もいます。一度は育休を延長する旨を職場に伝えても、さらに仕事を休むことへの不安感や、依然0,1,2歳児の保活は厳しいこともあり、ここで入園しないと来年は入れるかわからない、と考えたのでしょう。

しかし、度々休園になることも想定しなければなりません。仕事を休まざるを得なくなった場合、それが度重なると周りに迷惑をかけているような気持になってしまうでしょう。

少子化が進む中、共働きは増えているため、保育園の申込者は増加傾向でした。しかし、コロナの影響で、育休を延長する保護者が増えているようです。

定員割れの保育園に対し、補助金を出す自治体も

園児が定員に達しない場合、園の経営に影響が出てしまいます。そんな事態に対策を講じる自治体も出てきました。

保育士の人数は国によって最低基準が決められており、園児の定員に合わせて決まります。そのため園児が減っても保育士を減らすことはできません。

東京都文京区では、基準を超えた保育士分の人件費の半額を補助する仕組みを作りました。

この、保育士の人件費の一部を補助する事業は、現場からは大変歓迎されているようです。
多くの保育園では、保育士の勤務シフトが厳しくならないように、基準よりも多く配置しています。
昨年の4月は園児の数が定員に達しない園があり、この傾向が続くと、積立金を崩したり、職員の昇給のペースを抑えたりしなければなりませんでした。

そもそも、園児の数で支給額が決まる現システムこそ変えるべきかもしれません。しかし時間がかかるでしょう。
この文京区のように、臨機応変に補助金を出すようにするしか今保育現場と保育士を救う手立てはないのかもしれません。(2月20日朝日新聞)

 

 

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