「実地指導」→「運営指導」。厚労省、介護事業所の指導指針を改正 初めてオンライン指導を可能に
介護施設・事業所に対する自治体の指導監督の指針が新年度から改められた。厚生労働省は3月31日に通知を発出。介護保険最新情報のVol.1061で広く周知した。
サービスの質の向上や適切な事業運営などを促す自治体の集団指導、実地指導について、オンライン会議ツールを活用できることをルール上明確にした。これに伴い「実地指導」という名称も変更。必ずしも"実地"ではなくなるため、指針の記載を全て「実地指導」から「運営指導」へ切り替えた。
国がオンライン会議ツールの活用を認めたのは、コロナ禍の一時的な特例を除けば今回が初。自治体と事業者、双方の事務負担の軽減につなげる狙いがある。厚労省は有識者会議でこうした方針を固め、先月までに指針を改正する意向を明らかにしていた。
改正した指針では「運営指導」について、「原則実地」と説明している。一方、実地でなくても確認できる内容(*)であれば「オンラインを活用できる」と明記。「事業所の過度な負担とならないよう十分に配慮すること」と呼びかけた。
「運営指導」の留意点としては、
◯ 1事業所あたりの所要時間をできる限り短縮し、指導の頻度向上を図る
◯ 同一所在地や近隣の事業所はできるだけ同日、または連続した日程で実施する
◯ 書類がデータで管理されている場合はディスプレイで確認し、事業所に書類のプリントアウトを指示しない
などを要請。「高圧的な言動は控え、事業所との共通認識が得られるようにする」「担当職員の主観に基づく指導はしない」なども改めて求めた。
厚労省はこのほか「運営指導」の頻度について、原則として指定の有効期間内(6年間)に1回以上としつつ、施設系サービス、居住系サービスは「3年に1回以上が望ましい」と記した。一方の「集団指導」については、「1年に1回以上、講習などの方法で行う」と規定している。(介護ニュース)