介護施設への感染者1人30万円の補助金、対象地域を全国へ拡大 政府 期間も7月まで延長
岸田文雄首相は7日の会見で、新型コロナウイルスの感染者らを支える高齢者施設の体制強化に向けた既存の財政支援措置について、対象地域を全国に拡大する方針を打ち出した。これまでは「まん延防止等重点措置」が適用されている地域に限定していたが、介護現場からの再三の要請も踏まえて改める。
この財政支援措置は、感染した入所者1人につき最大で30万円を高齢者施設に補助し、かかり増し経費などに充ててもらうもの。岸田首相は会見で、今月末までと定めていた支給期限を7月末まで延長する意向も表明。「鍵となる高齢者施設の医療支援体制の確保を強力に推進していく」と述べた。
感染が再び拡大していく懸念が強まっていることを受けて、政府は介護施設に対する支援を最重要施策に位置付ける構えを鮮明にしている。重症化リスクの高い人が多いためで、後藤茂之厚生労働相も8日の会見で「(対策を)特に重点化、迅速化して進めていく」と強調した。
厚労省は今月4日、既に全国の自治体へ通知を出している。クラスターが発生した介護施設などに入って現場を支える「感染制御・業務継続支援チーム」について、施設側の連絡・要請から24時間以内に派遣できる体制を作るよう指示。あわせて、医師、看護師の往診・派遣による医療サービスを速やかに提供できる体制を、全ての介護施設で整えておくことも要請した。
後藤厚労相は8日、こうした施策や最大30万円の補助などの運用に力を注ぐと説明。「政府として最大限の警戒感を持って、保健医療体制をしっかりと稼働できるように整えていきたい」と語った(介護ニュースより)