2022 年度の雇用保険料率の決定と年度更新

雇用保険料率は財政状況に応じて毎年度、見直しが行われていますが、2022 年度の雇用保険料率についても3月末に決定しました。2022 年度は例年と異なり、年度の途中で雇用保険料率が変更となります。

1.2022 年度の雇用保険料率

 雇用保険の財政は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、急激に悪化しました。一方で、コロナ禍で雇用保険料率が引き上げられることに対する労使の負担感も踏まえ、2022年度については段階的に引き上げられることになりました。
 具体的には下表のとおり上期(2022 年4 月1日から9 月30 日まで)と下期(2022 年10 月1日から2023 年3 月31日まで)に分けて変更されます。上期の雇用保険料率は、2021 年度と比較し、会社負担が0.5/1,000 引き上げられるのみとなります。そのため、給与から控除する従業員負担の雇用保険料率を変更する必要はありません。 

 

2. 注意が必要な年度更新

 2021 年度の確定保険料と2022 年度の概算保険料を申告・納付する2022 年度の年度更新では、2022 年度の概算保険料(雇用保険分)について、上期の概算保険料額と、下期の概算保険料額を賃金集計表で計算し、その合計額を2022 年度の概算保険料として納付することになっています。
 例年であれば、前年度の賃金額の合計を集計することで、確定保険料と概算保険料を算出できますが、2022 年度の年度更新は複雑になります。年度更新申告書に同封される厚生労働省のパンフレットを確認して、集計に誤りのないよう注意して進めましょう。

 

これまで雇用保険の財政が安定していたことから、雇用保険料率は低く抑えられていました。上期からの急激な引き上げは見送られたものの、下期の引き上げは従業員の生活に影響が出てくることもあるでしょう。従業員に早めに周知するといった対応も検討したいものです。

 

 

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