居宅介護支援の逓減制緩和、適用は9.1%に留まる 厚労省調査 「ICT体制が整わない」などが理由

前回の2021年度の介護報酬改定を受けて現場はどう変わったか − 。

居宅介護支援にフォーカスを当てた調査の結果が新たに公表された。厚生労働省から委託を受けた民間のシンクタンクがまとめた最新のものだ。基本報酬の逓減制について、「適用緩和あり(居宅介護支援費II)」と答えた事業所は昨年9月サービス提供分で9.1%。全体の1割に満たなかったと報告されている。

逓減制の緩和を届け出ていない理由では、「ICTを活用できる体制が整っていない」が44.5%で最多。このほか、

◯ ケアマネジメントの質の維持のため、担当件数を増やすことは難しいと判断した=39.1%

◯ 事業所の経営上、事務職員の採用が難しい=34.1%

◯ ICTを活用する予算が確保できない=25.9%

などが多かった。

この調査は、三菱総合研究所が昨年11月から今年1月にかけて実施したもの。全国2000の居宅介護支援事業所が対象で、56.7%の1134事業所から有効な回答を得ている。

居宅介護支援の逓減制は、ケアマネジャー1人あたりの担当件数が一定数を超えると基本報酬を引き下げる仕組み。厚労省は昨年4月の介護報酬改定で、"40件目から"としていた従前の適用ルールを"45件目から"に緩和した。事業所の経営の安定化を図る施策の一環で、ICTの活用や事務職員の配置などを要件として定めた経緯がある。

調査結果によると、「適用緩和あり」の事業所のうちICTを活用している割合は63.1%だった。緩和前後のケアマネジメントの水準(*)については、53.4%が「変化なし」と回答。「下がった」は2.9%にとどまっていた。

* アセスメントやモニタリングで収集する情報量、ケアプランの内容の充実度など

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