4月より変更となった キャリアアップ助成金
厚生労働省では、有期契約労働者を正社員に転換する際や有期契約労働者の処遇の見直しを行う際の支援として、「キャリアアップ助成金」を設けていますが、2022年4 月より、対象者見直しなどの変更が行われました。以下では、同助成金の正社員化コースと短時間労働者労働時間延長コースの内容をとり上げます。
1. 正社員化コース
このコースは、有期契約労働者等を正社員に転換した場合等に、助成金が支給されるものです。支給額は以下のとおりです。
①有期契約労働者を正社員に転換した場合
1 人当たり57 万円[42万7,500 円]
②無期契約労働者を正社員に転換した場合
1 人当たり28 万5,000 円[21万3,750 円]
①と②を合わせて、1 年度1 事業所当たり支給申請上限人数20人までです。
なお、派遣労働者を派遣先で正規雇用労働者として直接雇用する場合等には支給額の加算措置があります。
昨年度までは、有期雇用労働者から無期雇用労働者への転換の助成がありましたが、廃止されました。また、10 月1 日以降の正社員転換から、「正社員」と「非正規雇用労働者」の2 つの定義が変わります。定義が変わることで、要件に該当しなくなる可能性があるため、事前に確認しましょう。
2. 短時間労働者労働時間延長コース
このコースは、短時間労働者の週所定労働時間を延長し、新たに社会保険の被保険者とした場合に助成金が支給されるものです。支給額は以下のとおりです。
①週所定労働時間を3 時間以上延長し、新たに社会保険に適用した場合
1 人当たり22 万5,000 円[16 万9,000 円]
②労働者の手取り収入が減少しないように週所定労働時間を延長するとともに、基本給を昇給し、新たに社会保険に適用した場合
1 時間以上2 時間未満:1 人当たり5 万5000 円[4 万1,000 円]
2 時間以上3 時間未満:1 人当たり11 万円[8 万3,000 円]
①と②を合わせて、1 年度1 事業所当たり支給申請上限人数45人までです。
社会保険の適用拡大を進めるために、①について昨年度までは週所定労働時間が5 時間以上の延長を必要としていましたが、3 時間以上に要件が緩和されました。また、②については、2024 年9 月30 日までの暫定措置です。
キャリアアップ助成金の申請にあたっては、労働者の処遇改善が図られていない場合など、助成金の趣旨・目的に沿った取組みと判断されない場合には、不支給となります。また、この助成金にはさまざまな要件が設けられており、厚生労働省のサイトにQ&Aが掲載されています。活用を検討される場合は事前に確認しましょう。
※[ ]はいずれも中小企業以外の額です。 ※生産性の向上が認められる場合には支給額の加算があります。
社会保険労務士顧問業務 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)
福祉・医療人材の人間力向上研修 | 社会保険労務士法人ヒューマンスキルコンサルティング (hayashi-consul-sr.com)