制約が多い1年単位の変形労働制を理解する

1年単位の変形労働制とは

 

1年変形を採用するには、就業規則に定め、労使協定に年間カレンダー

を添付して、毎年、労基署に提出します。年間カレンダーでは、ひとりひとりの

職員について、一日ごとに労働日か休日かに加え、労働日における労働時間を決めます。

ただ、職員毎の次年度の労働日を3月末には決められなくなったといったご相談がある園長からいただきました。以前は労働日と休日が全職員同じだったので年間カレンダーは簡単に決められましたが、最近は、土曜日も夏、冬、春休みも開園しているので、以前のように「開園日=全職員の労働日」とはなりません。年間カレンダーを作成する際にも3月末の時点では職員毎に、〇月〇日が労働日か、休日かを決められまくなっています。

 

各月の労働日数と総労働時間を定めた一覧表を作成する

 

このようなケースでは、下記の方法で対応することが可能です。

①4月の勤務表と、5月以降の各月の労働日数と総労働時間を定めた一覧表を作成する

②5月以降の勤務表は、一覧表通りに作成する。

 まず、年間の労働時間の上限から年間で確保できる1日8時間労働の労働日数の上限を算出します。

年間の歴日数

労働時間上限

労働日数上限

平年365日

40時間×365日÷7日≒2085時間

2085時間÷8時間≒260日

うるう年

366日

40時間×366日÷7日≒2091時間

2091時間÷8時間≒261日

1年変形では、年間の労働日数の上限260日を各月に割り振ることが出来ます。そこで学期中にはできるだけ出勤してもらい、8月と1月にはお休みを多く・・・」と各月の労働日数を定め、一覧表を作成しまみました。

 

年間

4月

5月

6月

7月

8月

9月

10月

11月

12月

1月

2月

3月

労働日数

260

23

22

25

22

15

23

25

23

23

15

20

24

総労働時間

2080

184

176

200

176

120

184

200

184

184

120

160

192

但し、注意しなければならない法律があり、152時間まで、連続6日までという制約がります。加えて勤務表は各月の初日の30日前までには職員に提示しなければなりません。

運用をスタートした園長に伺いました。

 

職員は、夏休み、冬休みにはしっかり休み、リフレッシュできたようです。しかし、課題があります。年度の途中で採用や退職場あった場合の法律上の賃金計算をいざやってみると難しくて・・・。賃金精算を行う時期は年度途中の退職者の場合退職した時点になります。

年度途中の採用者の場合には対象期間が終了する3月末時点で清算します。

この清算方法や時期をうっかり忘れたりすることがあるので、1年変形を採用する場合には十分に留意する必要があります。

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