「能力の差は五倍、意識の差は百倍」
今日は、人材の育成で有名な
日本電産の社長永守重信氏の言葉
を紹介させて頂きたいと思います。
業界を問わず、人材育成の大切さ
を具体的に書かれたインタビューです。
ご覧ください。
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「意識は能力を遙かに超える」
永守重信(日本電産社長)
※『致知』1999年7月号
特集「切に思うことは必ずとぐるなり」より
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――年中無休ということですが、
一日のサイクルはどういうふうな日課ですか。
だいたい朝は5時50分に起きます。
そしてすぐにシャワーを浴びて、
6時から15分間ビジネスニュースを見ます。
それから食事をして、服を着て、
6時40分に迎えの車が来ます。
朝早いですからラッシュアワーにかからないので
6時55分には会社に着きます。
もう20分遅いと会社まで4、50分かかりますよ。
世の中、何故ラッシュアワーが起こるかというと、
9割の人が普通のことをしているからです。
わずか10分か15分普通より早く行動することで、
全然違う世界があるんです。
ところが人間ほとんどが一緒のことをするんですね。
――それがわかるか、わからないかの差であると。
そうです。
だからうちの社員にはよそよりも
10分早く来いと言います。
その10分を早く来られる人間は
世の中の10パーセントなんですね。
それが意識の差なんです。
人間の能力の差なんていうのは、
最大五倍くらいしかないですよ。
知能とか知識とか経験とかはね。
しかし意識の差は百倍あると私は言うんです。
それさえ頭に入れておけば、
どんな人間でも成功できる。
――ああ、能力の差は五倍だが、
意識の差は百倍だと。
ええ。東京に出張したときのことです。
取引先の担当者に、繁盛しているという
ラーメン屋に連れていってもらったことがあります。
外観はごく普通のラーメン屋でしたが、
私たちが店の前に立った途端、
中にいた若い店員がぱーっと
入り口まで走ってきてドアを開け、
「いらっしゃいませ」と大きな声で挨拶をするんです。
そして席まで誘導してくれて、
私たちがラーメンを注文すると、
大きな声で調理場にオーダーを伝えてから、
人なつっこい顔で
「お客さんは関西から来られたのですか」
なんて話しかけてくる。
私たちと話している間も入り口に気を配って、
客が店の前に立つと飛んでいく。
ラーメンはごく普通で、
味で繁盛しているというわけではないんですね。
つまり、他店と同程度の料金で
五倍おいしいラーメンを作ったり、
五分の一のスピードでラーメンを
出すことはまず不可能です。
しかし店員の意識を変えることによって、
お客の気分を百倍よくすることは
それほど難しいことではない。
この店が繁盛しているのは、
ズバリ店員の意識の高さなんです。
おそらくこのラーメン屋の経営者は、
ラーメンの味にこだわる以上に
店員の意識改革にこだわっているのだと思います。
私の人材に対する考え方もこれとまったく同じです。
能力の高い人を採用するというよりも、
人並みの能力を持つ人材を採用して、
彼らの意識を高めることに全力を傾注します。
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いかがでしょうか?
人間力向上研修でもよく申し上げるのですが
人間の能力の差は、たいしたものでない、
それよりも、常に意識を磨き、高め
それを行動にしてゆくこと。
このちょっとしたものの積み重ねが
最終的には、人の心を打つ大きな
違いとなって「形」になってゆく
ような気がしています。
皆様のご参考になれば幸いです。
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