介護現場でのカスタマーハラスメント対策
利用者やその家族からのハラスメントは、職員の離職にもつながりかねません。「利用者は、支援し守るべき立場だから……」と我慢を重ね、事態をさらに悪化させているケースも多々。事業所として、どう対処すべきでしょうか。
「共感」と「客観性」の両面サポート体制を
職員から報告や相談を受けたり、兆候を感じたりしたとき、「これをハラスメントとみなすべきか」の判断は非常に難しく繊細な問題です。利用者や家族からの要望をどこまで受け入れるかの明確な線引きがなく、また、介護従事者には親切で我慢強い方が多いために、他業界に比べてカスタマーハラスメントが起こりやすいといわれています。
調査によると、4 割前後の職員が、施設に期待する対応として「事実を認めて欲しい」と回答しています(下表赤枠)。ハラスメントの対応では、客観的に状況を分析し、冷静に対処するのはもちろんですが、同時に、第一線でつらい思いをした職員の気持ちに寄り添うことも重要となります。相談担当を複数人体制とし、「窓口として解決に直接携わる立場」と「職員の理解者となる立場」の両方を整えておくと、職員も安心して相談できます。
厚生労働省のホームページでは、マニュアルや研修動画、手引き、事例集などが公開されています。具体的な対応策を検討される際は、こちらもご活用ください。
※厚生労働省 介護現場におけるハラスメント対策
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_05120.html